介護ベッドの死亡事故、7年間で35件-消費者庁、新規格品への取り換え促す
消費生活用製品安全法が改正された2007年5月以降の7年余りで、介護ベッド用の手すりに関連する死亡事故が35件起きていたことが、消費者庁がまとめた施設からの報告で分かった。同庁は、新JIS規格が適用された09年以前の旧規格品では首が挟まれるなどの恐れがあるとし、安全性が向上した新規格品への取り換えなどの対応を呼び掛けている。
同庁によると、最近では、7月に神奈川県で80歳代の男性が介護ベッド用手すりのすき間に頭部が挟まれた状態で死亡していたという。このケース以外にも、これまでに、▽手すりとヘッドボード(頭側のついたて)のすき間に首が挟まる▽手すりと手すりの間に首が挟まる▽手すり自体のすき間に腕が挟まる―といった事故も報告されている。
07年5月から今年7月までの間、介護ベッド用手すりに関連した事故の報告件数は67件。このうち死亡した事例は35件だった。
対策として同庁は、以前より安全性が向上した新JIS規格の製品に取り換えるよう促すほか、取り換えが困難な場合は、頭や腕が入り込まないようにクッション材や毛布などですき間をふさぐなどの対応を呼び掛けている。
また、介護用ベッド関連会社でつくる「医療・介護ベッド安全普及協議会」がウェブサイトで公開している安全点検チェック表を紹介。これを利用する介護施設などは、記載された事故事例や対応方法例を基に自施設で危険がないかを確認し、必要に応じて対応を取ることが求められている。同庁の担当者は、「多くの施設にチェック表を活用してもらい、事故が起きないようにしてほしい」と話している。
事故が続く電動介護ベッド。
JIS規格が制定されたものの、規格外品がまだまだ多く使用されているため、
事故の発生件数はいまだに増えています。
在宅でも福祉用具業者がJIS規格外のベッドを介護保険対象外ベッドとして流通させ、
施設でもまだJIS規格以前のベッドが主流となっています。
なかなか製品の入れ替えが進んでいないという状況ですね。